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物品売買(古物商等)_店舗経営委託契約書(狭義の経営委任)
(物品売買(古物商等)_店舗経営委託契約書(狭義の経営委任).docx)
【物品売買(古物商等)_店舗経営委託契約書(狭義の経営委任)】
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M.B.A. 行政書士 岡田旭事務所 がBASEで運営する、
契約書ひながた(書式/テンプレート)のダウンロード販売サイト。
インボイス制度対応(領収書の発行可)。
注釈・コメント付。WORDファイル形式で、すぐにご利用できます。
お客様側でご自由にカスタマイズできます。
当事務所でのカスタマイズも別途お見積りで承ります。
契約書作成eコース 管理人 https://keiyaku.info/
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※物品の売買を業とする店舗経営委託契約、とくに『狭義の経営委任』の内容となっているものです。
※対象となる物品は、新品の他、中古品(古物営業法に規定される古物)も含みます。
※中古品の売買を業とする場合は、古物商許可が必要です。(古物商とは、古物営業法に規定される古物を業として売買又は交換する業者・個人のことです。)
※古物営業法に規定される古物は、次の13区分に分類されます。
美術品類、衣類、時計・宝飾品類、自動車、自動二輪及び原動機付自転車、自転車類、写真機類、事務機器類、機械工具類、道具類、皮革・ゴム製品類、書籍、金券類
※店舗の運営を第三者に任せる場合に。転貸の問題も考慮しています。
【名義貸しの禁止と業務委託契約】
古物商又は古物市場主は、自己の名義をもって、他人にその古物営業を営ませてはなりません(古物営業法第9条)。
一方で、他人から委託を受けて古物の売買若しくは交換をする営業は、古物営業法上の「古物営業」に該当します(古物営業法第2条第2項)。
→古物営業の業務委託契約でも、古物営業法上問題とされない場合があります。
例;ある事業者(古物商許可を取得済み)が他の事業者(古物商許可を取得済み)に対し「古物の売買若しくは交換をする業務」を委託する。
→「古物の売買若しくは交換をする業務」を他者に委託する場合は、その取引内容に問題がないかどうか、事前に管轄の警察署に問い合わせて下さい。 問い合わせた結果、その取引内容に問題がないことが確認できましたら、委託者と受託者の間で業務委託契約を締結して下さい。
【狭義の経営委任契約】
本契約書は、「狭義の経営委任契約」となるように、作成しています。
営業活動/事業活動の名義は委託者となりますが、営業損益の帰属は受託者となります。
ご参考:当事務所HP http://keiyaku.info/tenpo01.html
『狭義の経営委任』
→受託者の計算及び裁量によって経営活動が行われ、営業の損益は受託者に帰属します。 営業の所有者(委託者)は、受託者から報酬という形で支払いを受けます。 報酬は、「収益の○○%」「売上の○○%」のように決められることが多いです。
【賃借りしている店舗での営業活動を、第三者に経営委託する場合】
★この場合、店舗経営委託は、内容によっては『転貸』に該当することになり、店舗の賃貸人に承諾を得る必要があります。
→民法第612条(賃借権の譲渡及び転貸の制限)は、以下のように定めています。
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第612条 賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を 転貸することができない。
2 賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、 賃貸人は、契約の解除をすることができる。
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★店舗の賃貸人の承諾を得ることができない場合、転貸とならないようにするには、以下の要件を具備することが必要です。
・営業の所有者(委託者)の名義において営業活動を行うこと
・営業の所有者(委託者)に経営指揮権があること
・権利金等の授受がないこと
→営業の所有者が受任者から受け取る月々の支払いに「定額部分」があれば、その定額部分が 実質上の家賃補助/肩代わり=転貸とみなされる可能性が大です。
→注1:店舗の賃貸借契約によっては、『転貸』のみならず『店舗経営委託』も禁止している内容のものがありますので、ご注意下さい。
→注2:転貸などの問題が絡む場合、実情の確認と契約書作成は専門家に依頼したほうが良いことも多いです。
★ご参考 :(財)不動産流通近代化センターHPより
店舗の経営委託と無断転貸
http://www.retpc.jp/archives/1709
「営業委託契約」と「営業の賃貸借」
http://www.retpc.jp/archives/1670
【連帯保証】
★連帯保証人を入れない場合、前文の「、並びに (以下「連帯保証人」という。)」「し、受託者が委託者に対して負う債務を連帯保証人が連帯保証」は削除して下さい。
※なお、連帯保証人に関する条項(第25条)につきましては、2020年4月1日施行予定の改正民法に合わせた条項例もあわせて記載します。
→契約締結時に極度額(連帯保証人の責任限度額)を定める必要があります。(極度額を定めていない連帯保証条項は無効とされます。)
→受託者は連帯保証人に対して、契約に先立ち、所定の項目について情報提供する必要があります。
★ご参考(当事務所HP)
古物商、リユース・リサイクル業界の契約書作成
https://keiyaku.info/reuse01.html
★「物品売買(古物商等)_店舗経営委託契約書(狭義の経営委任)」に含まれる条項
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第1条(目的)
委託者が店舗の経営を受託者に委託し、受託者はこれを受託する旨を規定しています。
→店舗の所在地、報酬等は「要綱」にまとめて記載する形式にしています。
第2条(名義、損益の帰属)
本件業務の名義を委託者、損益の帰属を受託者とすることにより、「狭義の経営委任」であることを明確にしています。
第3条(店舗屋号及び営業形態)
第1項:店舗の屋号、営業形態を定めています。
→ここでは営業形態の例として、以下のように定めています。
-----------------------------
物品の売買に関する営業
・物品は新品及び中古品(古物営業法に規定される古物)の双方を含む
・物品の品目:美術品類
・受託者の役職:店長
・古物商許可は委託者と受託者の双方が取得する
・物品の仕入又は買取の判断は受託者の裁量に任せる
・仕入又は買取した物品の所有権は委託者に帰属する
注;最後の項目は、場合に応じて「仕入又は買取した物品の所有権は受託者に帰属する」と変更して下さい。
(物品の仕入代金又は買取代金を負担した当事者にその物品の所有権が帰属する、という判断になろうかと思います。)
-----------------------------
第2項:受託者は、店舗を、委託者から受託した業務以外の目的で使用してはならない旨を定めています。
第4条(店舗の権利帰属等)
第1項:店舗の借家権は委託者のみに帰属し、受託者は借家権その他の本件店舗に関する権利を一切有しない旨を定めています。
第2項:受託者は店舗の全部又は一部について譲渡、賃貸、担保権設定等の処分をしてはならない旨を定めています。
第3項:店舗の屋号、ロゴ等の営業表示及び商標権(委託者が将来登録する商標権を含む)は、委託者のみに帰属する旨を定めています。
第5条(再委託の禁止)
受託者は、委託者の事前承諾を得ることなく、本件業務を第三者に再委託することが出来ない旨を定めています。
第6条(受託者の義務)
店舗の管理や防災、許認可申請等に関する受託者の義務について規定しています。
第2項:受託者は自らの責任で本件店舗及び出張先へ移動するものとしています。
また、受託者が移動に自己所有の車両を使用する場合、当該車両の管理についても責任を負うものとしています。
第3項:本件業務の遂行に必要な監督官庁に対する届出、許可、申請等の事務手続きについては、委託者と受託者が協力して行うものとしています。(例:古物商許可。)
※第3項の別例(受託者が監督官庁に対する届出、許可、申請等の事務手続きを自らの責任と費用をもって行う場合)も記載しています。
第7条(外部サービスの利用等)
第8条(営業日及び営業時間)
店舗の営業日及び営業時間に関する規定です。
第9条(従業員)
店舗の従業員に関する規定です。
ここでは、委託者の事前承諾等を条件として、受託者が自らの責任と費用をもって、店舗の従業員を選任し、雇用することが出来るものとしています。
第9条の別例(委託者が従業員を雇用する場合)も記載しています。
第10条(保険)
受託者は、委託者が指定する保険会社との間で、委託者が指定する賠償責任保険に加入するものとしています。
第11条(仕入又は買取の方法、入出金実務等)
仕入又は買取の方法、入出金実務に関する規定です。
→受託者は自身の名義の口座を使用するようにしています。
第1項:委託者は受託者に対し、委託者を代理して物品の仕入又は買取を行う権限を付与しています。
第2項:受託者は委託者を代理して、仕入先又は買取先に物品の仕入金又は買取金を支払うものとしています。また、受託者は、自身の名義の口座から物品の仕入金又は買取金を引き出すものとしています。
第3項:ここでは、受託者は店舗使用料及び店舗管理費を負担するものとしています。また、仕入金又は買取金も受託者が負担する旨を、念のためカッコ書きで追記しています。
→第3項の別例(仕入金又は買取金を委託者が負担する場合)も記載しています。
注;(物品の所有権については、その物品の仕入代金又は買取代金を負担した者に帰属する、という判断になろうかと思います。)
第4項:受託者は、売上金を、自身の名義の口座に入金するものとしています。
第12条(売上歩合、店舗使用料及び店舗管理費)
「売上歩合(委託者の受領分)」「店舗使用料」「店舗管理費」に関する規定です。
第1項:「売上歩合(委託者の受領分)」は「物品を売却した価格と、その物品を仕入又は買取した金額の差額(諸費税込)の %」と設定されるもので、変動します。
第2項:「店舗使用料」は、月額固定の金額で設定されるもので、家賃の肩代わりとみなされます。(店舗の賃料、共益費、看板使用料等、更新料、事務手数料 等の金額を考慮して設定します。)
第3項:「店舗管理費」は、店舗経営委託に伴って生じる費用です。
【保証金】
※特約事項(別紙の第6項)に「保証金」に関する規定をおいています。(不要な場合は削除して下さい。)
【転貸の問題】
★店舗の賃貸人の承諾を得ることができない場合、転貸とならないようにするには、以下の要件を具備することが必要です。
・営業の所有者(委託者)の名義において営業活動を行うこと
・営業の所有者(委託者)に経営指揮権があること
・権利金等の授受がないこと
→営業の所有者が受任者から受け取る月々の支払いに「定額部分」があれば、その定額部分が 実質上の家賃補助/肩代わり=転貸とみなされる可能性が大です。
→売上金に応じた変動額(売上歩合)及び「店舗管理費」のみの支払いとして、上「毎月決まった固定額(店舗使用料)の支払い」、そして「保証金などの支払い」等の権利金の支払いは設けないようにすれば、家賃・敷金・更新料等の権利金の肩代わりをさせていない(=転貸していない)ということになります。
→注1:店舗の賃貸借契約によっては、『転貸』のみならず『店舗経営委託』も禁止している内容のものがありますので、ご注意下さい。
→注2:転貸などの問題が絡む場合、実情の確認と契約書作成は専門家に依頼したほうが良いことも多いです。
第13条(委託者の受領分)
受託者が委託者に対して支払う「売上歩合(委託者の受領分)」「店舗使用料」「店舗管理費」に関する規定です。
→受託者が委託者に対し、毎月の「売上歩合(委託者の受領分)」「店舗使用料」「店舗管理費」の合計金額を、翌月の所定期日までに支払うものとしています。
第14条(仕入又は買取した物品の取扱い)
第15条(設備等)
店舗に存在する設備等の所有権は委託者に帰属し、受託者は、当該設備等について、本件業務の為の使用権限以外に何らの権利を有しないことを定めています。
第16条(苦情処理)
顧客からの苦情等は、受託者が責任をもって解決する旨を規定しています。
第17条(報告及び調査)
第1項:委託者は受託者に対し、本件業務に関して報告を求め、店舗の立入調査をし、又は受託者の作成した帳簿等の提出を求めることができるものとしています。
第2項:受託者が法人を設立する場合、その旨を委託者に事前報告し、同意を得なければならない旨を規定しています。
第18条(契約の期間)
第1項:本契約の期間について定めています。
第2項:本契約の期間延長について定めています。
第19条(中途解約、解約金)
中途解約、解約金に関する規定です。(解約金を定めない場合は、関連箇所を削除して下さい。)
第1項:受託者は基本的に中途解約することはできないとしつつ、中途解約する場合の条件について定めています。
第2項:受託者は中途解約する場合、委託者に解約金を支払うものとしています。(本契約の期間開始日から経過している期間により、解約金の額を所定額から0円まで定めることができるようにしています。)
第20条(契約解除)
契約の解除事由に関する規定です。
第21条(契約の失効)
契約の失効事由に関する規定です。
第22条(契約終了後の処理)
契約終了後の処理に関する規定です。
第23条(損害賠償)
★第1項:損害賠償に関する通常の規定例です。
★第1項の別例その1:損害賠償の範囲を限定した規定例を以下に記載します。(必要に応じて、全部又は一部を残すか削除して下さい。)
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委託者及び受託者は、本契約に関して相手方に損害を与えたとき、その損害を賠償する。但し、委託者又は受託者は、相手方に現実に発生した通常かつ直接の損害に対して責任を負うものとし、相手方の履行利益に係る損害その他の間接損害については、賠償責任を負わないものとする。
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★第1項の別例その2:受託者にのみ重めの損害賠償義務を負わせる場合の規定例を以下に記載します。
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受託者は、自己に起因する事由(以下の各号に定める事由を含むが、これらに限られない)により委託者に損害を与えた場合、履行利益を含むその損害の全てを賠償しなければならない。
(1) 委託者から受託した本件業務を遂行しなかったこと。
(2) 受託者が本契約に違反したこと。
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→「履行利益」とは、契約通り履行がされていれば得られたはずの利益のことをいいます。
→「履行利益」には、「逸失利益」と「履行されていれば発生しなかった出費」の双方が含まれます。
→「逸失利益」
例えば、受託者が本件乗務を遂行しなかった場合、これは受託者の債務不履行になります。この場合にもし受託者が本件乗務を遂行していれば委託者が得られたはずの利益のことを逸失利益といいます。
→「履行されていれば発生しなかった出費」
受託者が契約通り履行しなかったことにより、委託者が出費を余儀なくされた場合は、「履行されていれば発生しなかった出費」が発生しています。
【損害賠償の範囲:民法関連条文】
下記条文(民法第416条)が規定する損害賠償の範囲では過大な場合は、契約にて損害賠償の責任範囲を限定します。
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民法第416条(損害賠償の範囲)
1.債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする。
2.特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見し、又は予見することができたときは、債権者は、その賠償を請求することができる。
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第24条(遅延損害)
【遅延損害金等について】
→下請法や消費者契約法にならい年率14.6%としている場合が多いです。
→ちなみに、改正利息制限法の利息の上限利率(営業的金銭消費貸借の場合)は20%です。ご参考:公証人連合会HP:http://www.koshonin.gr.jp/business/b03
【遅延損害金の計算】
例えば、10万円の支払い期日が8月31日だとして、実際の支払いが9月5日だったとします。遅延損害金は、以下のような計算となります。
(未払い金:10万円)×(年利:0.146)÷365日×(遅れた日数:5日)=200円
第25条(連帯保証人)
連帯保証人に関する規定です。
★2020年4月1日施行予定の改正民法に合わせた条項例も記載しています。
第1項:連帯保証人が個人の場合、契約締結時に極度額(連帯保証人の責任限度額)を定める必要があります。(極度額を定めていない連帯保証条項は無効とされます。)
第2項:受託者は連帯保証人に対して、契約に先立ち、ここに定める項目について情報提供する必要があります。
第26条(地位等の譲渡・承継禁止)
委託者又は受託者は、本契約の当事者たる地位若しくは権利義務を他に承継させ、又は譲渡することが出来ない旨を規定しています。
第27条(秘密保持義務)
秘密保持義務に関する規定です。
第28条(消費税)
契約期間中に消費税率の変動があった場合、変動のあった日以降の支払いには新消費税率が適用される旨を注意的に規定しています。
第29条(暴力団等反社会的勢力の排除)
反社会的勢力の排除に関する規定です。
第30条(誠実協議及び協力義務)
誠実協議及び協力義務に関する規定です。
第31条(準拠法、裁判管轄)
第1項:本契約の準拠法は日本法とする旨を規定しています。
第2項:「委託者の本店所在地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所」は、より具体的に「東京地方裁判所または東京簡易裁判所」のようにしてもいいです。
第32条(特約事項)
特約事項に関する規定です。
→特約事項は、「別紙」に定めるようにしています。
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★注釈・コメント付。WORDファイル形式で、ご自由にカスタマイズできます。
写真:Free-Photos from Pixabay
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M.B.A. 行政書士 岡田旭事務所 がBASEで運営する、
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※物品の売買を業とする店舗経営委託契約、とくに『狭義の経営委任』の内容となっているものです。
※対象となる物品は、新品の他、中古品(古物営業法に規定される古物)も含みます。
※中古品の売買を業とする場合は、古物商許可が必要です。(古物商とは、古物営業法に規定される古物を業として売買又は交換する業者・個人のことです。)
※古物営業法に規定される古物は、次の13区分に分類されます。
美術品類、衣類、時計・宝飾品類、自動車、自動二輪及び原動機付自転車、自転車類、写真機類、事務機器類、機械工具類、道具類、皮革・ゴム製品類、書籍、金券類
※店舗の運営を第三者に任せる場合に。転貸の問題も考慮しています。
【名義貸しの禁止と業務委託契約】
古物商又は古物市場主は、自己の名義をもって、他人にその古物営業を営ませてはなりません(古物営業法第9条)。
一方で、他人から委託を受けて古物の売買若しくは交換をする営業は、古物営業法上の「古物営業」に該当します(古物営業法第2条第2項)。
→古物営業の業務委託契約でも、古物営業法上問題とされない場合があります。
例;ある事業者(古物商許可を取得済み)が他の事業者(古物商許可を取得済み)に対し「古物の売買若しくは交換をする業務」を委託する。
→「古物の売買若しくは交換をする業務」を他者に委託する場合は、その取引内容に問題がないかどうか、事前に管轄の警察署に問い合わせて下さい。 問い合わせた結果、その取引内容に問題がないことが確認できましたら、委託者と受託者の間で業務委託契約を締結して下さい。
【狭義の経営委任契約】
本契約書は、「狭義の経営委任契約」となるように、作成しています。
営業活動/事業活動の名義は委託者となりますが、営業損益の帰属は受託者となります。
ご参考:当事務所HP http://keiyaku.info/tenpo01.html
『狭義の経営委任』
→受託者の計算及び裁量によって経営活動が行われ、営業の損益は受託者に帰属します。 営業の所有者(委託者)は、受託者から報酬という形で支払いを受けます。 報酬は、「収益の○○%」「売上の○○%」のように決められることが多いです。
【賃借りしている店舗での営業活動を、第三者に経営委託する場合】
★この場合、店舗経営委託は、内容によっては『転貸』に該当することになり、店舗の賃貸人に承諾を得る必要があります。
→民法第612条(賃借権の譲渡及び転貸の制限)は、以下のように定めています。
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第612条 賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を 転貸することができない。
2 賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、 賃貸人は、契約の解除をすることができる。
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★店舗の賃貸人の承諾を得ることができない場合、転貸とならないようにするには、以下の要件を具備することが必要です。
・営業の所有者(委託者)の名義において営業活動を行うこと
・営業の所有者(委託者)に経営指揮権があること
・権利金等の授受がないこと
→営業の所有者が受任者から受け取る月々の支払いに「定額部分」があれば、その定額部分が 実質上の家賃補助/肩代わり=転貸とみなされる可能性が大です。
→注1:店舗の賃貸借契約によっては、『転貸』のみならず『店舗経営委託』も禁止している内容のものがありますので、ご注意下さい。
→注2:転貸などの問題が絡む場合、実情の確認と契約書作成は専門家に依頼したほうが良いことも多いです。
★ご参考 :(財)不動産流通近代化センターHPより
店舗の経営委託と無断転貸
http://www.retpc.jp/archives/1709
「営業委託契約」と「営業の賃貸借」
http://www.retpc.jp/archives/1670
【連帯保証】
★連帯保証人を入れない場合、前文の「、並びに (以下「連帯保証人」という。)」「し、受託者が委託者に対して負う債務を連帯保証人が連帯保証」は削除して下さい。
※なお、連帯保証人に関する条項(第25条)につきましては、2020年4月1日施行予定の改正民法に合わせた条項例もあわせて記載します。
→契約締結時に極度額(連帯保証人の責任限度額)を定める必要があります。(極度額を定めていない連帯保証条項は無効とされます。)
→受託者は連帯保証人に対して、契約に先立ち、所定の項目について情報提供する必要があります。
★ご参考(当事務所HP)
古物商、リユース・リサイクル業界の契約書作成
https://keiyaku.info/reuse01.html
★「物品売買(古物商等)_店舗経営委託契約書(狭義の経営委任)」に含まれる条項
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第1条(目的)
委託者が店舗の経営を受託者に委託し、受託者はこれを受託する旨を規定しています。
→店舗の所在地、報酬等は「要綱」にまとめて記載する形式にしています。
第2条(名義、損益の帰属)
本件業務の名義を委託者、損益の帰属を受託者とすることにより、「狭義の経営委任」であることを明確にしています。
第3条(店舗屋号及び営業形態)
第1項:店舗の屋号、営業形態を定めています。
→ここでは営業形態の例として、以下のように定めています。
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物品の売買に関する営業
・物品は新品及び中古品(古物営業法に規定される古物)の双方を含む
・物品の品目:美術品類
・受託者の役職:店長
・古物商許可は委託者と受託者の双方が取得する
・物品の仕入又は買取の判断は受託者の裁量に任せる
・仕入又は買取した物品の所有権は委託者に帰属する
注;最後の項目は、場合に応じて「仕入又は買取した物品の所有権は受託者に帰属する」と変更して下さい。
(物品の仕入代金又は買取代金を負担した当事者にその物品の所有権が帰属する、という判断になろうかと思います。)
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第2項:受託者は、店舗を、委託者から受託した業務以外の目的で使用してはならない旨を定めています。
第4条(店舗の権利帰属等)
第1項:店舗の借家権は委託者のみに帰属し、受託者は借家権その他の本件店舗に関する権利を一切有しない旨を定めています。
第2項:受託者は店舗の全部又は一部について譲渡、賃貸、担保権設定等の処分をしてはならない旨を定めています。
第3項:店舗の屋号、ロゴ等の営業表示及び商標権(委託者が将来登録する商標権を含む)は、委託者のみに帰属する旨を定めています。
第5条(再委託の禁止)
受託者は、委託者の事前承諾を得ることなく、本件業務を第三者に再委託することが出来ない旨を定めています。
第6条(受託者の義務)
店舗の管理や防災、許認可申請等に関する受託者の義務について規定しています。
第2項:受託者は自らの責任で本件店舗及び出張先へ移動するものとしています。
また、受託者が移動に自己所有の車両を使用する場合、当該車両の管理についても責任を負うものとしています。
第3項:本件業務の遂行に必要な監督官庁に対する届出、許可、申請等の事務手続きについては、委託者と受託者が協力して行うものとしています。(例:古物商許可。)
※第3項の別例(受託者が監督官庁に対する届出、許可、申請等の事務手続きを自らの責任と費用をもって行う場合)も記載しています。
第7条(外部サービスの利用等)
第8条(営業日及び営業時間)
店舗の営業日及び営業時間に関する規定です。
第9条(従業員)
店舗の従業員に関する規定です。
ここでは、委託者の事前承諾等を条件として、受託者が自らの責任と費用をもって、店舗の従業員を選任し、雇用することが出来るものとしています。
第9条の別例(委託者が従業員を雇用する場合)も記載しています。
第10条(保険)
受託者は、委託者が指定する保険会社との間で、委託者が指定する賠償責任保険に加入するものとしています。
第11条(仕入又は買取の方法、入出金実務等)
仕入又は買取の方法、入出金実務に関する規定です。
→受託者は自身の名義の口座を使用するようにしています。
第1項:委託者は受託者に対し、委託者を代理して物品の仕入又は買取を行う権限を付与しています。
第2項:受託者は委託者を代理して、仕入先又は買取先に物品の仕入金又は買取金を支払うものとしています。また、受託者は、自身の名義の口座から物品の仕入金又は買取金を引き出すものとしています。
第3項:ここでは、受託者は店舗使用料及び店舗管理費を負担するものとしています。また、仕入金又は買取金も受託者が負担する旨を、念のためカッコ書きで追記しています。
→第3項の別例(仕入金又は買取金を委託者が負担する場合)も記載しています。
注;(物品の所有権については、その物品の仕入代金又は買取代金を負担した者に帰属する、という判断になろうかと思います。)
第4項:受託者は、売上金を、自身の名義の口座に入金するものとしています。
第12条(売上歩合、店舗使用料及び店舗管理費)
「売上歩合(委託者の受領分)」「店舗使用料」「店舗管理費」に関する規定です。
第1項:「売上歩合(委託者の受領分)」は「物品を売却した価格と、その物品を仕入又は買取した金額の差額(諸費税込)の %」と設定されるもので、変動します。
第2項:「店舗使用料」は、月額固定の金額で設定されるもので、家賃の肩代わりとみなされます。(店舗の賃料、共益費、看板使用料等、更新料、事務手数料 等の金額を考慮して設定します。)
第3項:「店舗管理費」は、店舗経営委託に伴って生じる費用です。
【保証金】
※特約事項(別紙の第6項)に「保証金」に関する規定をおいています。(不要な場合は削除して下さい。)
【転貸の問題】
★店舗の賃貸人の承諾を得ることができない場合、転貸とならないようにするには、以下の要件を具備することが必要です。
・営業の所有者(委託者)の名義において営業活動を行うこと
・営業の所有者(委託者)に経営指揮権があること
・権利金等の授受がないこと
→営業の所有者が受任者から受け取る月々の支払いに「定額部分」があれば、その定額部分が 実質上の家賃補助/肩代わり=転貸とみなされる可能性が大です。
→売上金に応じた変動額(売上歩合)及び「店舗管理費」のみの支払いとして、上「毎月決まった固定額(店舗使用料)の支払い」、そして「保証金などの支払い」等の権利金の支払いは設けないようにすれば、家賃・敷金・更新料等の権利金の肩代わりをさせていない(=転貸していない)ということになります。
→注1:店舗の賃貸借契約によっては、『転貸』のみならず『店舗経営委託』も禁止している内容のものがありますので、ご注意下さい。
→注2:転貸などの問題が絡む場合、実情の確認と契約書作成は専門家に依頼したほうが良いことも多いです。
第13条(委託者の受領分)
受託者が委託者に対して支払う「売上歩合(委託者の受領分)」「店舗使用料」「店舗管理費」に関する規定です。
→受託者が委託者に対し、毎月の「売上歩合(委託者の受領分)」「店舗使用料」「店舗管理費」の合計金額を、翌月の所定期日までに支払うものとしています。
第14条(仕入又は買取した物品の取扱い)
第15条(設備等)
店舗に存在する設備等の所有権は委託者に帰属し、受託者は、当該設備等について、本件業務の為の使用権限以外に何らの権利を有しないことを定めています。
第16条(苦情処理)
顧客からの苦情等は、受託者が責任をもって解決する旨を規定しています。
第17条(報告及び調査)
第1項:委託者は受託者に対し、本件業務に関して報告を求め、店舗の立入調査をし、又は受託者の作成した帳簿等の提出を求めることができるものとしています。
第2項:受託者が法人を設立する場合、その旨を委託者に事前報告し、同意を得なければならない旨を規定しています。
第18条(契約の期間)
第1項:本契約の期間について定めています。
第2項:本契約の期間延長について定めています。
第19条(中途解約、解約金)
中途解約、解約金に関する規定です。(解約金を定めない場合は、関連箇所を削除して下さい。)
第1項:受託者は基本的に中途解約することはできないとしつつ、中途解約する場合の条件について定めています。
第2項:受託者は中途解約する場合、委託者に解約金を支払うものとしています。(本契約の期間開始日から経過している期間により、解約金の額を所定額から0円まで定めることができるようにしています。)
第20条(契約解除)
契約の解除事由に関する規定です。
第21条(契約の失効)
契約の失効事由に関する規定です。
第22条(契約終了後の処理)
契約終了後の処理に関する規定です。
第23条(損害賠償)
★第1項:損害賠償に関する通常の規定例です。
★第1項の別例その1:損害賠償の範囲を限定した規定例を以下に記載します。(必要に応じて、全部又は一部を残すか削除して下さい。)
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委託者及び受託者は、本契約に関して相手方に損害を与えたとき、その損害を賠償する。但し、委託者又は受託者は、相手方に現実に発生した通常かつ直接の損害に対して責任を負うものとし、相手方の履行利益に係る損害その他の間接損害については、賠償責任を負わないものとする。
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★第1項の別例その2:受託者にのみ重めの損害賠償義務を負わせる場合の規定例を以下に記載します。
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受託者は、自己に起因する事由(以下の各号に定める事由を含むが、これらに限られない)により委託者に損害を与えた場合、履行利益を含むその損害の全てを賠償しなければならない。
(1) 委託者から受託した本件業務を遂行しなかったこと。
(2) 受託者が本契約に違反したこと。
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→「履行利益」とは、契約通り履行がされていれば得られたはずの利益のことをいいます。
→「履行利益」には、「逸失利益」と「履行されていれば発生しなかった出費」の双方が含まれます。
→「逸失利益」
例えば、受託者が本件乗務を遂行しなかった場合、これは受託者の債務不履行になります。この場合にもし受託者が本件乗務を遂行していれば委託者が得られたはずの利益のことを逸失利益といいます。
→「履行されていれば発生しなかった出費」
受託者が契約通り履行しなかったことにより、委託者が出費を余儀なくされた場合は、「履行されていれば発生しなかった出費」が発生しています。
【損害賠償の範囲:民法関連条文】
下記条文(民法第416条)が規定する損害賠償の範囲では過大な場合は、契約にて損害賠償の責任範囲を限定します。
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民法第416条(損害賠償の範囲)
1.債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする。
2.特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見し、又は予見することができたときは、債権者は、その賠償を請求することができる。
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第24条(遅延損害)
【遅延損害金等について】
→下請法や消費者契約法にならい年率14.6%としている場合が多いです。
→ちなみに、改正利息制限法の利息の上限利率(営業的金銭消費貸借の場合)は20%です。ご参考:公証人連合会HP:http://www.koshonin.gr.jp/business/b03
【遅延損害金の計算】
例えば、10万円の支払い期日が8月31日だとして、実際の支払いが9月5日だったとします。遅延損害金は、以下のような計算となります。
(未払い金:10万円)×(年利:0.146)÷365日×(遅れた日数:5日)=200円
第25条(連帯保証人)
連帯保証人に関する規定です。
★2020年4月1日施行予定の改正民法に合わせた条項例も記載しています。
第1項:連帯保証人が個人の場合、契約締結時に極度額(連帯保証人の責任限度額)を定める必要があります。(極度額を定めていない連帯保証条項は無効とされます。)
第2項:受託者は連帯保証人に対して、契約に先立ち、ここに定める項目について情報提供する必要があります。
第26条(地位等の譲渡・承継禁止)
委託者又は受託者は、本契約の当事者たる地位若しくは権利義務を他に承継させ、又は譲渡することが出来ない旨を規定しています。
第27条(秘密保持義務)
秘密保持義務に関する規定です。
第28条(消費税)
契約期間中に消費税率の変動があった場合、変動のあった日以降の支払いには新消費税率が適用される旨を注意的に規定しています。
第29条(暴力団等反社会的勢力の排除)
反社会的勢力の排除に関する規定です。
第30条(誠実協議及び協力義務)
誠実協議及び協力義務に関する規定です。
第31条(準拠法、裁判管轄)
第1項:本契約の準拠法は日本法とする旨を規定しています。
第2項:「委託者の本店所在地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所」は、より具体的に「東京地方裁判所または東京簡易裁判所」のようにしてもいいです。
第32条(特約事項)
特約事項に関する規定です。
→特約事項は、「別紙」に定めるようにしています。
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★注釈・コメント付。WORDファイル形式で、ご自由にカスタマイズできます。
写真:Free-Photos from Pixabay