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データ収集分析業務委託契約書_ビッグデータ,オープンデータ(生成AI分析対応)
(データ収集分析業務委託契約書_ビッグデータ,オープンデータ(生成AI分析対応).docx)
【データ収集分析業務委託契約書_ビッグデータ,オープンデータ(生成AI分析対応)】
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インボイス制度対応(領収書の発行可)。
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当事務所でのカスタマイズも別途お見積りで承ります。
契約書の作成・カスタマイズにかかる報酬、費用
https://keiyaku.info/fee01.html
契約書作成eコース 管理人 https://keiyaku.info/
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★事業者(甲)が、データの収集分析に関する業務をデータ収集分析事業者(乙)に委託するための契約書です。
★収集分析の対象となるデータとして、ビッグデータや取得可能なオープンデータ等の既存データ等を活用すること、調査の手法、対象範囲、サンプル数については統計学的に有意であることとしています。(末尾の「仕様書」サンプルを参照。)
→データが個人情報を含む場合は、個人情報保護法によって確認が義務付けられている事項があります。
(第3条第5項、末尾【提供データの提供・受領に関する確認事項】を参照。)
★乙は、自ら選定した生成AIを用いた分析ができるものとしています。
★「仕様書」のサンプルを付けています。
★【ご参考(当事務所HP)】
生成AI・データ分析に関する取引設計、契約書作成
https://keiyaku.info/data02.html
ビッグデータの提供・利活用に関する契約書、利用規約
http://keiyaku.info/data01.html
データベース利用契約書、使用許諾契約書の作成
https://keiyaku.info/web11.html
プライバシーポリシー、個人情報保護方針の作成
https://keiyaku.info/web04.html
★「データ収集分析業務委託契約書_ビッグデータ,オープンデータ(生成AI分析対応)」に含まれる条項
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第1条(定義、仕様書との関係)
第1項:定義規定です。
第1号:「本件データ」を定義しています。
→本契約に基づいて乙が収集する、別添の「仕様書」に詳細を定めるものと定義しています。
→本件データには個人情報は含まれない旨を規定しています。
第2号:「本件目的」を定義しています。
→甲が本件データの収集分析に関する業務を乙に委託する目的であって、別添の「仕様書」にその内容を定めるものとしました。
第3号:「本件業務」を定義しています。
→甲が本件データの収集・分析に関する業務を乙に委託する目的であって、別添の「仕様書」にその内容を定めるものとしました。
第2項:本契約と「仕様書」との関係に関する規定です。
→別添の「仕様書」において本契約と異なる内容がある場合、当該「仕様書」の内容が本契約の内容に優先するものとしています。
【データに生じる権利について】
「所有権」:データは有体物ではないので、所有権の対象にはなりません。(データの複製物を格納したUSB等の電磁的記憶媒体は有体物なので、所有権の対象にはなります。)
「著作権」:「データベースの著作物」に該当すれば、著作物として法的保護を受けます。(データベースの著作物に該当しないケースも多いと考えられます。)
ご参考:データベースと著作権(-J-Stage-科学技術振興機構)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/55/2/55_2_125/_html/-char/ja
「営業秘密」:営業秘密とは、秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものをいいます(不正競争防止法第2条第6項)。これに合致する内容のデータであれば、営業秘密として法的保護を受けます。
「不法行為(民法709条)」:データを不正に取得した第三者に対し、民法709条に基づく損害賠償請求をすることができる場合があります。
【個人情報の利活用と保護】
2017年5月30日施行の改正個人情報保護法では、個人情報の定義が厳格に定められ、本人が特定できないよう加工されれば、個人情報をビッグデータとして利活用できることが目指されています。
ご参考:個人情報の利活用と保護に関するハンドブック(個人情報保護委員会)
https://www.ppc.go.jp/files/pdf/personal_280229sympo_pamph.pdf
第2条(業務委託)
第1項:甲は本件業務を乙に委託し、乙はこれを受諾する旨を規定しています。
第2項:乙は、本件業務を、善良な管理者の注意をもって遂行する旨を規定しています。
→民法第644条は、「受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う」と定めており、本項はこれに則った規定となります。
第3条(データの仕様)
第1項:提供するデータの提供方法、形式・仕様(データの項目・件数・粒度・精度など)を明示します。なお、データの形式・仕様は、データ取得時の外部環境により変更せざるを得ない場合もあるため、仕様が変更される場合があることについても規定しておきます。
第2項:提供するデータの提供方法を明示します。
→データを提供する「期間」「頻度」「手段」を明示します。
例1:甲がデータベースにアップロードし、当該データベースに乙がインターネット経由で随時にアクセスし、ダウンロードする方法
例2:本契約の有効期間中、毎月○回、甲が、本件データのファイルを電子メールに添付して乙に送付する方法
例3:本契約の有効期間中、毎月○回、甲が、本件データのファイルをUSB等の電磁的記録媒体に格納して乙に送付する方法
第3項:甲乙それぞれの責任者(業務責任者)に関する規定です。業務責任者の氏名、所属、連絡先等は別添の「仕様書」に定めるものとしています。
第4項:業務責任者の権限及び責任に関する規定です。
第5項:甲乙双方の確認事項に関する規定です。
第1項:本件データの仕様を明示します。なお、データの形式・仕様は、データ取得時の外部環境により変更せざるを得ない場合もあるため、仕様が変更される場合があることについても規定しておきます。
第2項:乙によるデータの収集・分析方法を明示します。
第3項:甲乙それぞれの責任者(業務責任者)に関する規定です。業務責任者の氏名、所属、連絡先等は別添の「仕様書」に定めるものとしています。
第4項:業務責任者の権限及び責任に関する規定です。
第5項:甲乙双方の確認事項に関する規定です。
※(第5項は、提供データが個人データを含む場合に必要となります。)
※本件データが個人情報を含む場合は、個人情報保護法によって確認が義務付けられている事項があります。
【「個人情報取扱事業者」の、個人データを提供した場合の義務】
個人情報取扱事業者は、個人データを第三者に提供したときは、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、当該個人データを提供した年月日、当該第三者の氏名又は名称その他の個人情報保護委員会規則で定める事項に関する記録を作成しなければなりません(個人情報保護法29条1項)。また、当該記録を、作成した日から個人情報保護委員会規則で定める期間保存しなければなりません(同条2項)。
→なお、当該記録は、個人データを提供する都度作成するのが原則ですが、継続的に提供する場合には、一括して作成することも認められています(個人情報保護法施行規則12条2項)。(データを継続的に提供・受領する契約においては、締結時に確認し、それを記録することで足ります。)
【「個人情報取扱事業者」の、データを受領した場合の義務】
個人情報取扱事業者は、第三者から個人データの提供を受けるに際しては、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、次に掲げる事項の確認を行わなければなりません(個人情報保護法30条1項)。
(1) 当該第三者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものにあっては、その代表者又は管理人)の氏名
(2) 当該第三者による当該個人データの取得の経緯
また、取得の経緯等を確認したことについての記録が義務付けられ(同条3項)、かつ、その記録を一定期間保存することが義務付けられています(同条4項)。
→なお、当該記録は、個人データを受領する都度作成するのが原則ですが、継続的にデータを受領する場合、データを受領するごとに確認、記録義務が生じるのではなく、一括して記録を作成することが認められています(個人情報保護法施行規則16条2項)。(データを継続的に提供・受領する契約においては、締結時に確認し、それを記録することで足ります。)
★この第5項及び本書末尾の「本件データの提供・受領に関する確認事項」は、データ提供者(甲)とデータ受領者(乙)の双方が、「個人情報取扱事業者」の義務を履行していることを意識して定めた内容としています。
第4条(本件業務の遂行方法、成果物の納入・検査)
第1項:乙が本件業務を遂行する方法について規定しています。
→別添の「仕様書」に定める方法により遂行するものとしました。
→乙が選定した生成AIを用いて分析できるものとしています。
第2項:乙は、成果物を納入する際は、別添の「仕様書」に定める期日までに、甲の検査に合格しなければならないものとしています。
第3項〜第5項:成果物の検査に関する規定です。
注;生成AIで個人情報・秘密情報を利用する際には注意が必要です。
ご参考(当事務所HP):生成AI・データ分析に関する取引設計、契約書作成>生成AIで個人情報・秘密情報を利用する場合の注意点
https://keiyaku.info/data02.html
第5条(契約不適合責任)
契約不適合責任に関する規定です。
→甲が所定の期間内に契約不適合を発見した場合、乙に請求できる内容について規定しています。
第6条(表明保証)
甲が乙に提供するデータに関し、甲による表明保証について規定しています。
第1号:本件データが第三者の知的財産権、その他一切の権利を侵害するものでないことを表明保証しています。
第2号:本件データが、適法、適切な方法によって取得されたものであることを表明保証しています。
第3号:本件データが、ウィルスなどの混入がなく、安全であることを表明保証しています。
第4号:甲が、個人情報保護法に定められた個人情報取扱事業者の義務を遵守していることを表明保証しています。(不要な場合は削除して下さい。)
ご参考:個人情報取扱事業者等に係るガイドライン・Q&A等(個人情報保護法総則規定、第4章等関係)(個人情報保護委員会)
https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/#anc_Guide
【別例1】
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○ 甲は、本件データが第三者の知的財産権その他の権利を侵害しないものであることを保証しない。
----------------------------------------------------------------------------
→本件データが第三者の知的財産権その他の権利を侵害しないものであることを保証しない旨の規定例です。
【別例2】
----------------------------------------------------------------------------
○ 甲は乙に対し、本契約に基づいて行う個人情報を含む本件データの提供について、権利主体である本人の同意を得ていることを表明し、保証する。
----------------------------------------------------------------------------
→本件データが個人情報を含むデータである場合、権利主体である本人の同意を得ていることの保証に関する規定例です。
【別例3】
----------------------------------------------------------------------------
○甲は乙に対し、本件データが正確であることを保証しない。
----------------------------------------------------------------------------
→本件データが正確であることを保証しない旨の規定例です。
第7条(秘密保持義務)
秘密保持義務に関する規定です。
第8条(損失軽減義務、遵守事項等)
乙の損失軽減義務(第1〜3項)、乙の禁止事項(第4項)、甲及び乙の遵守事項(第5項)に関する規定です。
第1項:乙における「善管注意義務、個人情報保護法等の遵守、営業秘密の維持」について規定しています。
第2項:乙によるデータ漏洩のおそれが発生した場合の措置に関する規定です。
第3項:乙のよるデータ漏洩が発生した場合の義務に関する規定です。
第4項:乙は、甲の事前承諾なくして、本件目的以外の目的で本件データの加工、編集、第三者提供その他の利用を行ってはならないことを規定しています。
第5項:前各項に定める他、甲及び乙は、本契約の規定、関連法令、所管官庁のガイドラインを遵守するものとしています。
第9条(成果物の権利)
第1項:成果物の所有権、著作権等の一切の権利は甲に帰属するものとしています。
第2項:成果物が著作権法に規定される著作物に該当する場合、乙は当該著作物にかかる著作権を、引き渡し時に、甲に無償で譲渡するものとしています。
第3項:乙が本件業務を遂行するにあたって第三者の権利を使用する場合、乙が権利処理等を行うものとしています。
第10条(管理状況)
甲による、乙のデータ管理状況の確認と是正勧告に関する規定です。
第1項:甲は乙に対し、データ管理状況の報告を求めることができ、漏えい等のおそれがあると判断した場合は管理方法の是正を求めることができる旨を規定しています。
第2項:乙は、前項の報告又は是正の要求に速やかに応じなければならないとしています。
第11条(対価及び支払方法)
対価及び支払方法に関する規定です。ここでは、別添の「仕様書」に定める実施報告書の納入が完了した日(第4条第3項から第5項に定める検査に合格した日)から30日以内に支払うものとしています。
第12条(権利義務の譲渡の禁止)
契約上の権利義務の譲渡の禁止を定める規定です。
第13条(契約の有効期間)
契約の有効期間に関する規定です。
第1項:但し書き以降は、期間を1年毎の自動更新とした場合の規定例です。
第14条(契約解除)
一般的な当事者の意思として、一度成立した契約は履行されることが好ましく、また、些細な違反について即時に契約解除を主張されたのでは支障を生じる場合もあるので、解除事由のうち契約違反については一定の催告期間を設ける場合が多いです。
いっぽう、信用不安に基づく解除権については、解除権の行使も視野に入れてすみやかに債権回収を図る必要があることから、債権者としては催告手続きを要しないことを明記しておく必要があります。
第15条(損害賠償、免責)
第1項:甲及び乙の、相手方に対する損害賠償に関する規定です。
第1項の赤字箇所は、損害賠償の範囲を限定するものです。(必要に応じて、全部又は一部を残すか削除して下さい。)
「履行利益」とは、契約通り履行がされていれば得られたはずの利益のことをいいます。
「履行利益」には、「逸失利益」と「履行されていれば発生しなかった出費」の双方が含まれます。
「逸失利益」
例えば、甲から提供されたデータを乙が分析できなくなった場合、これは乙の債務不履行になります。この場合にもし乙がデータが分析して、甲がその結果を取得できていれば甲が得られたはずの利益のことを逸失利益といいます。
「履行されていれば発生しなかった出費」
乙が契約通り履行しなかったことにより、甲が出費を余儀なくされた場合は、「履行されていれば発生しなかった出費」が発生しています。
履行利益を含むその損害の全てを賠償する旨を明示する規定例も記載しています。
【損害賠償の範囲:民法関連条文】
下記条文(民法第416条)が規定する損害賠償の範囲では過大な場合は、契約にて損害賠償の責任範囲を限定します。
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民法第416条(損害賠償の範囲)
1.債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする。
2.特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見し、又は予見することができたときは、債権者は、その賠償を請求することができる。
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第2項:不可抗力免責に関する規定です。
第16条(完全合意)
第17条(契約の変更)
第18条(再委託)
再委託に関する規定です。
→ここでは、乙は、本件業務の全部又は主たる部分を第三者に再委託することはできないと規定し、それ以外の場合における再委託についても規定しています。
第19条(反社会的勢力の排除)
反社会的勢力の排除に関する規定です。
警察庁と金融庁が中心となり策定された平成19年(2007年)6月19日付「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」の中で「反社会的勢力が取引先や株主となって、不当要求を行う場合の被害を防止するため、契約書や取引約款に暴力団排除条項を導入する」ことが推奨され、契約の相手方が「反社会的勢力」(「暴力団」より広い概念)であることが判明した場合には当該契約を直ちに解除することができるとする条項を加えることが一般的になってきています。
第20条(準拠法)
第21条(協議、紛争解決)
第2項「〇〇地方裁判所又は〇〇簡易裁判所」の別例として、以下が挙げられます。
「甲の本店所在地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所」
「原告の所在地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所」
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【仕様書】
この仕様書サンプルは、以下の資料を参考にして作成しています。
横須賀市観光マーケティング調査業務委託 仕様書
https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/2150/documents/02_shiyosyo.pdf
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★当事務所側でのカスタマイズも承っています(別途お見積り)。
契約書作成eコース by M.B.A. 行政書士 岡田旭事務所
https://keiyaku.info
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M.B.A. 行政書士 岡田旭事務所 がBASEで運営する、
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当事務所でのカスタマイズも別途お見積りで承ります。
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https://keiyaku.info/fee01.html
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★事業者(甲)が、データの収集分析に関する業務をデータ収集分析事業者(乙)に委託するための契約書です。
★収集分析の対象となるデータとして、ビッグデータや取得可能なオープンデータ等の既存データ等を活用すること、調査の手法、対象範囲、サンプル数については統計学的に有意であることとしています。(末尾の「仕様書」サンプルを参照。)
→データが個人情報を含む場合は、個人情報保護法によって確認が義務付けられている事項があります。
(第3条第5項、末尾【提供データの提供・受領に関する確認事項】を参照。)
★乙は、自ら選定した生成AIを用いた分析ができるものとしています。
★「仕様書」のサンプルを付けています。
★【ご参考(当事務所HP)】
生成AI・データ分析に関する取引設計、契約書作成
https://keiyaku.info/data02.html
ビッグデータの提供・利活用に関する契約書、利用規約
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データベース利用契約書、使用許諾契約書の作成
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★「データ収集分析業務委託契約書_ビッグデータ,オープンデータ(生成AI分析対応)」に含まれる条項
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第1条(定義、仕様書との関係)
第1項:定義規定です。
第1号:「本件データ」を定義しています。
→本契約に基づいて乙が収集する、別添の「仕様書」に詳細を定めるものと定義しています。
→本件データには個人情報は含まれない旨を規定しています。
第2号:「本件目的」を定義しています。
→甲が本件データの収集分析に関する業務を乙に委託する目的であって、別添の「仕様書」にその内容を定めるものとしました。
第3号:「本件業務」を定義しています。
→甲が本件データの収集・分析に関する業務を乙に委託する目的であって、別添の「仕様書」にその内容を定めるものとしました。
第2項:本契約と「仕様書」との関係に関する規定です。
→別添の「仕様書」において本契約と異なる内容がある場合、当該「仕様書」の内容が本契約の内容に優先するものとしています。
【データに生じる権利について】
「所有権」:データは有体物ではないので、所有権の対象にはなりません。(データの複製物を格納したUSB等の電磁的記憶媒体は有体物なので、所有権の対象にはなります。)
「著作権」:「データベースの著作物」に該当すれば、著作物として法的保護を受けます。(データベースの著作物に該当しないケースも多いと考えられます。)
ご参考:データベースと著作権(-J-Stage-科学技術振興機構)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/55/2/55_2_125/_html/-char/ja
「営業秘密」:営業秘密とは、秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものをいいます(不正競争防止法第2条第6項)。これに合致する内容のデータであれば、営業秘密として法的保護を受けます。
「不法行為(民法709条)」:データを不正に取得した第三者に対し、民法709条に基づく損害賠償請求をすることができる場合があります。
【個人情報の利活用と保護】
2017年5月30日施行の改正個人情報保護法では、個人情報の定義が厳格に定められ、本人が特定できないよう加工されれば、個人情報をビッグデータとして利活用できることが目指されています。
ご参考:個人情報の利活用と保護に関するハンドブック(個人情報保護委員会)
https://www.ppc.go.jp/files/pdf/personal_280229sympo_pamph.pdf
第2条(業務委託)
第1項:甲は本件業務を乙に委託し、乙はこれを受諾する旨を規定しています。
第2項:乙は、本件業務を、善良な管理者の注意をもって遂行する旨を規定しています。
→民法第644条は、「受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う」と定めており、本項はこれに則った規定となります。
第3条(データの仕様)
第1項:提供するデータの提供方法、形式・仕様(データの項目・件数・粒度・精度など)を明示します。なお、データの形式・仕様は、データ取得時の外部環境により変更せざるを得ない場合もあるため、仕様が変更される場合があることについても規定しておきます。
第2項:提供するデータの提供方法を明示します。
→データを提供する「期間」「頻度」「手段」を明示します。
例1:甲がデータベースにアップロードし、当該データベースに乙がインターネット経由で随時にアクセスし、ダウンロードする方法
例2:本契約の有効期間中、毎月○回、甲が、本件データのファイルを電子メールに添付して乙に送付する方法
例3:本契約の有効期間中、毎月○回、甲が、本件データのファイルをUSB等の電磁的記録媒体に格納して乙に送付する方法
第3項:甲乙それぞれの責任者(業務責任者)に関する規定です。業務責任者の氏名、所属、連絡先等は別添の「仕様書」に定めるものとしています。
第4項:業務責任者の権限及び責任に関する規定です。
第5項:甲乙双方の確認事項に関する規定です。
第1項:本件データの仕様を明示します。なお、データの形式・仕様は、データ取得時の外部環境により変更せざるを得ない場合もあるため、仕様が変更される場合があることについても規定しておきます。
第2項:乙によるデータの収集・分析方法を明示します。
第3項:甲乙それぞれの責任者(業務責任者)に関する規定です。業務責任者の氏名、所属、連絡先等は別添の「仕様書」に定めるものとしています。
第4項:業務責任者の権限及び責任に関する規定です。
第5項:甲乙双方の確認事項に関する規定です。
※(第5項は、提供データが個人データを含む場合に必要となります。)
※本件データが個人情報を含む場合は、個人情報保護法によって確認が義務付けられている事項があります。
【「個人情報取扱事業者」の、個人データを提供した場合の義務】
個人情報取扱事業者は、個人データを第三者に提供したときは、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、当該個人データを提供した年月日、当該第三者の氏名又は名称その他の個人情報保護委員会規則で定める事項に関する記録を作成しなければなりません(個人情報保護法29条1項)。また、当該記録を、作成した日から個人情報保護委員会規則で定める期間保存しなければなりません(同条2項)。
→なお、当該記録は、個人データを提供する都度作成するのが原則ですが、継続的に提供する場合には、一括して作成することも認められています(個人情報保護法施行規則12条2項)。(データを継続的に提供・受領する契約においては、締結時に確認し、それを記録することで足ります。)
【「個人情報取扱事業者」の、データを受領した場合の義務】
個人情報取扱事業者は、第三者から個人データの提供を受けるに際しては、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、次に掲げる事項の確認を行わなければなりません(個人情報保護法30条1項)。
(1) 当該第三者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものにあっては、その代表者又は管理人)の氏名
(2) 当該第三者による当該個人データの取得の経緯
また、取得の経緯等を確認したことについての記録が義務付けられ(同条3項)、かつ、その記録を一定期間保存することが義務付けられています(同条4項)。
→なお、当該記録は、個人データを受領する都度作成するのが原則ですが、継続的にデータを受領する場合、データを受領するごとに確認、記録義務が生じるのではなく、一括して記録を作成することが認められています(個人情報保護法施行規則16条2項)。(データを継続的に提供・受領する契約においては、締結時に確認し、それを記録することで足ります。)
★この第5項及び本書末尾の「本件データの提供・受領に関する確認事項」は、データ提供者(甲)とデータ受領者(乙)の双方が、「個人情報取扱事業者」の義務を履行していることを意識して定めた内容としています。
第4条(本件業務の遂行方法、成果物の納入・検査)
第1項:乙が本件業務を遂行する方法について規定しています。
→別添の「仕様書」に定める方法により遂行するものとしました。
→乙が選定した生成AIを用いて分析できるものとしています。
第2項:乙は、成果物を納入する際は、別添の「仕様書」に定める期日までに、甲の検査に合格しなければならないものとしています。
第3項〜第5項:成果物の検査に関する規定です。
注;生成AIで個人情報・秘密情報を利用する際には注意が必要です。
ご参考(当事務所HP):生成AI・データ分析に関する取引設計、契約書作成>生成AIで個人情報・秘密情報を利用する場合の注意点
https://keiyaku.info/data02.html
第5条(契約不適合責任)
契約不適合責任に関する規定です。
→甲が所定の期間内に契約不適合を発見した場合、乙に請求できる内容について規定しています。
第6条(表明保証)
甲が乙に提供するデータに関し、甲による表明保証について規定しています。
第1号:本件データが第三者の知的財産権、その他一切の権利を侵害するものでないことを表明保証しています。
第2号:本件データが、適法、適切な方法によって取得されたものであることを表明保証しています。
第3号:本件データが、ウィルスなどの混入がなく、安全であることを表明保証しています。
第4号:甲が、個人情報保護法に定められた個人情報取扱事業者の義務を遵守していることを表明保証しています。(不要な場合は削除して下さい。)
ご参考:個人情報取扱事業者等に係るガイドライン・Q&A等(個人情報保護法総則規定、第4章等関係)(個人情報保護委員会)
https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/#anc_Guide
【別例1】
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○ 甲は、本件データが第三者の知的財産権その他の権利を侵害しないものであることを保証しない。
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→本件データが第三者の知的財産権その他の権利を侵害しないものであることを保証しない旨の規定例です。
【別例2】
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○ 甲は乙に対し、本契約に基づいて行う個人情報を含む本件データの提供について、権利主体である本人の同意を得ていることを表明し、保証する。
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→本件データが個人情報を含むデータである場合、権利主体である本人の同意を得ていることの保証に関する規定例です。
【別例3】
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○甲は乙に対し、本件データが正確であることを保証しない。
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→本件データが正確であることを保証しない旨の規定例です。
第7条(秘密保持義務)
秘密保持義務に関する規定です。
第8条(損失軽減義務、遵守事項等)
乙の損失軽減義務(第1〜3項)、乙の禁止事項(第4項)、甲及び乙の遵守事項(第5項)に関する規定です。
第1項:乙における「善管注意義務、個人情報保護法等の遵守、営業秘密の維持」について規定しています。
第2項:乙によるデータ漏洩のおそれが発生した場合の措置に関する規定です。
第3項:乙のよるデータ漏洩が発生した場合の義務に関する規定です。
第4項:乙は、甲の事前承諾なくして、本件目的以外の目的で本件データの加工、編集、第三者提供その他の利用を行ってはならないことを規定しています。
第5項:前各項に定める他、甲及び乙は、本契約の規定、関連法令、所管官庁のガイドラインを遵守するものとしています。
第9条(成果物の権利)
第1項:成果物の所有権、著作権等の一切の権利は甲に帰属するものとしています。
第2項:成果物が著作権法に規定される著作物に該当する場合、乙は当該著作物にかかる著作権を、引き渡し時に、甲に無償で譲渡するものとしています。
第3項:乙が本件業務を遂行するにあたって第三者の権利を使用する場合、乙が権利処理等を行うものとしています。
第10条(管理状況)
甲による、乙のデータ管理状況の確認と是正勧告に関する規定です。
第1項:甲は乙に対し、データ管理状況の報告を求めることができ、漏えい等のおそれがあると判断した場合は管理方法の是正を求めることができる旨を規定しています。
第2項:乙は、前項の報告又は是正の要求に速やかに応じなければならないとしています。
第11条(対価及び支払方法)
対価及び支払方法に関する規定です。ここでは、別添の「仕様書」に定める実施報告書の納入が完了した日(第4条第3項から第5項に定める検査に合格した日)から30日以内に支払うものとしています。
第12条(権利義務の譲渡の禁止)
契約上の権利義務の譲渡の禁止を定める規定です。
第13条(契約の有効期間)
契約の有効期間に関する規定です。
第1項:但し書き以降は、期間を1年毎の自動更新とした場合の規定例です。
第14条(契約解除)
一般的な当事者の意思として、一度成立した契約は履行されることが好ましく、また、些細な違反について即時に契約解除を主張されたのでは支障を生じる場合もあるので、解除事由のうち契約違反については一定の催告期間を設ける場合が多いです。
いっぽう、信用不安に基づく解除権については、解除権の行使も視野に入れてすみやかに債権回収を図る必要があることから、債権者としては催告手続きを要しないことを明記しておく必要があります。
第15条(損害賠償、免責)
第1項:甲及び乙の、相手方に対する損害賠償に関する規定です。
第1項の赤字箇所は、損害賠償の範囲を限定するものです。(必要に応じて、全部又は一部を残すか削除して下さい。)
「履行利益」とは、契約通り履行がされていれば得られたはずの利益のことをいいます。
「履行利益」には、「逸失利益」と「履行されていれば発生しなかった出費」の双方が含まれます。
「逸失利益」
例えば、甲から提供されたデータを乙が分析できなくなった場合、これは乙の債務不履行になります。この場合にもし乙がデータが分析して、甲がその結果を取得できていれば甲が得られたはずの利益のことを逸失利益といいます。
「履行されていれば発生しなかった出費」
乙が契約通り履行しなかったことにより、甲が出費を余儀なくされた場合は、「履行されていれば発生しなかった出費」が発生しています。
履行利益を含むその損害の全てを賠償する旨を明示する規定例も記載しています。
【損害賠償の範囲:民法関連条文】
下記条文(民法第416条)が規定する損害賠償の範囲では過大な場合は、契約にて損害賠償の責任範囲を限定します。
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民法第416条(損害賠償の範囲)
1.債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする。
2.特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見し、又は予見することができたときは、債権者は、その賠償を請求することができる。
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第2項:不可抗力免責に関する規定です。
第16条(完全合意)
第17条(契約の変更)
第18条(再委託)
再委託に関する規定です。
→ここでは、乙は、本件業務の全部又は主たる部分を第三者に再委託することはできないと規定し、それ以外の場合における再委託についても規定しています。
第19条(反社会的勢力の排除)
反社会的勢力の排除に関する規定です。
警察庁と金融庁が中心となり策定された平成19年(2007年)6月19日付「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」の中で「反社会的勢力が取引先や株主となって、不当要求を行う場合の被害を防止するため、契約書や取引約款に暴力団排除条項を導入する」ことが推奨され、契約の相手方が「反社会的勢力」(「暴力団」より広い概念)であることが判明した場合には当該契約を直ちに解除することができるとする条項を加えることが一般的になってきています。
第20条(準拠法)
第21条(協議、紛争解決)
第2項「〇〇地方裁判所又は〇〇簡易裁判所」の別例として、以下が挙げられます。
「甲の本店所在地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所」
「原告の所在地を管轄する地方裁判所又は簡易裁判所」
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【仕様書】
この仕様書サンプルは、以下の資料を参考にして作成しています。
横須賀市観光マーケティング調査業務委託 仕様書
https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/2150/documents/02_shiyosyo.pdf
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