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2024/11/13 20:17
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YouTube/YouTuberの取引デザイン、契約書作成、契約法務
【動画市場の拡大】
通信速度の向上により動画のオンライン化が進み、様々な業界・目的で動画が利用できるようになってきました。 それにともない動画市場が急速かつ継続的に成長し、YouTubeをはじめとした動画配信プラットフォームの利用及びYouTuberが活躍する場が拡大しています。
【YouTuberが収益を上げる方法の多様化】
広告収入の他にも、スポンサリング(協賛)、動画の使用許諾(ライセンス)、視聴者からの寄付や投げ銭等、収益を上げる方法が多様化しています。
【総YouTuber化】
著名人や芸能人がYouTubeチャンネルを開設しています。さらに、商品・サービスを宣伝するYouTubeチャンネルを開設する事業者が増加し、総YouTuber化の時代を迎えています。
【プロのYouTubeへの進出】
YouTubeは誰でも(アマチュアでも)自分で撮影した動画をアップロードして公開できることが特徴でした。 現在は、プロフェッショナルの映像制作会社(テレビ番組制作会社、映画制作会社、etc.)がYouTube向け動画の制作、ライブ配信/オンデマンド配信に参入しています。
【動画制作スキル修得の需要拡大】
いっぽうで、動画の制作を(外注ではなく)内製化することで、コストダウンとスピードアップを図る事業者も依然として増加しています。 すなわち、動画制作のスキル修得に関する需要が拡大しています。
【テレビでのYouTube視聴の普及】
以前、YouTubeは、PCやスマホで視聴するものでした。 現在は、ネット対応の家庭用テレビが普及し、YouTubeをテレビで視聴することも普通となりました。
【YouTubeとTikTok】
TikTokのマーケティング・ツールとしての重要性が高まっています。TikTokは、他のSNSプラットフォーム(YouTube、Instagram、X(旧Twitter))に誘導する起点となっています。SNS運用による企業キャンペーンでは、TikTokと他のSNSプラットフォーム・販売チャネルの連携により導線を作ることが当然となってきています。
当事務所は、YouTube/YouTuber、動画関連業界が必要とする取引のデザイン・業務提携プロデュースに取り組み、契約書に落とし込んでいきます。
当サイト関連ページ:
SNSマーケティング・SNS運用代行の取引設計、契約書作成
TikTok/TikToker,動画関連業界の取引デザイン,契約書作成
コンテンツビジネス、関連産業の契約法務
ショートドラマの取引設計、契約書作成
芸能プロダクション,タレント,モデル,ミュージシャンの契約書
インフルエンサー関連の取引デザイン、契約書作成
YouTuberの収益構造
YouTuberの収益構造は、主に以下の要素から成り立っています。
【広告収入】
YouTubeの主要な収益源は広告収入です。企業がYouTubeに広告宣伝費を支払い、動画に掲載された広告の再生数に応じてYouTubeからYouTuberへ収益が分配されます。広告は動画の冒頭、最後、そして8分以上の動画では途中にも挿入されます。
広告収入の特徴
・1再生あたりの収益は広告の位置や数によって変動します。
・動画の長さや視聴維持率が収益に影響します。
・ジャンルによって単価が異なります。
【YouTube Premium(ユーチューブ プレミアム)からの収入】
YouTube Premiumに登録した視聴者は広告が非表示となるため、YouTube Premiumを登録している視聴者がYouTuberの動画を再生した場合、広告収益が得られません。その代わりに、YouTube Premiumの利用料金の一部がYouTuberに分配されます。
【視聴者からの直接支援による収入】
YouTubeは視聴者から直接支援を受ける機能を提供しています。
・チャンネルメンバーシップ
視聴者が月額料金を支払い、限定コンテンツや特典を受けられます。
・Super Chat(スーパーチャット)
YouTuberのライブ配信中に視聴者が課金してチャットメッセージを目立たせる機能です。
・Super Stickers(スーパーステッカー)
YouTuberのライブ配信中に視聴者が課金してデコレーションされたステッカーを送信する機能です。
・Super Thanks(スーパーサンクス)
YouTuberの特定の動画に対して視聴者がチップ(投げ銭)を送る機能です。
これらの収益は、手数料を引かれた後、約6割がYouTuberに分配されます。
【企業案件(タイアップ動画)による収入】
YouTuber自身が企業と直接契約を結び、商品やサービスの宣伝を行う動画を制作することで得られる収益です。これはYouTube外からの収入となりますが、同時に動画に広告を付けることでYouTubeからも収益を得ることができます。
【収益化の条件】
YouTubeで収益を得るためには、以下の条件を満たす必要があります。
・チャンネル登録者が500人以上であること。
・直近1年間の総再生時間が3,000時間以上であること。
・YouTubeのコミュニティガイドラインに違反していないこと。
これらの条件を満たした後、YouTubeパートナープログラムに申請し、審査を通過する必要があります。
その他、以下のことに留意しておく必要があります。
・収益は毎月22日〜26日頃に指定の銀行口座に振り込まれます。
・支払いはドルから円に換算されます。(円安はYouTuberに有利となります。)
・税務情報をGoogleに提出する必要があります。
・YouTubeでの収益は、継続的な動画投稿が重要です。投稿頻度が落ちると、アルゴリズムの影響で再生数が減少し、収益も低下する傾向があります。
以上がYouTuberの主な収益構造です。YouTuberが成功するためには、質の高いコンテンツを定期的に提供し、視聴者との関係を築くことが重要です。
YouTubeにおける マルチチャンネルネットワーク(MCN)
マルチチャンネルネットワーク(MCN)とは、複数のYouTubeチャンネルと提携し、視聴者の開拓、コンテンツのプログラミング、クリエイター(YouTuber)のコラボレーション、デジタル著作権管理、収益化、営業などを含むサービスを提供するサードパーティ サービス プロバイダです。
YouTubeネットワークでMCNが提供できるチャンネルは、次の2種類です。
・アフィリエイトチャンネルはMCNによって管理され、アフィリエイトコンテンツ所有者に属します。
・O&Oは、MCNが所有し、運営するチャンネルです。つまり、MCNがチャンネルのYouTubeコンテンツの著作権を取得し、YouTubeのコンテンツに関するすべての法的責任を負い、O&Oチャンネルの日常的な管理を行います。
引用(YouTubeヘルプより):
マルチチャンネルネットワーク(MCN)の概要(YouTubeクリエイター向け)
※「O&O」はOwned & Operatedの略です。
SNSマーケティングとYouTubeチャンネル運用代行
企業がYouTubeをマーケティングに活用する場合、企業のYouTubeチャンネルアカウントを開設・運用して、広報活動や商品・サービスの集客・広告宣伝活動を行うことになります。
YouTubeチャンネル運用を効果的に行うための業務は多岐に渡り、専門性も伴うため、YouTubeチャンネル運用代行・コンサルティングサービスの需要が拡大しています。
【YouTubeチャンネル運用代行の業界構造】
YouTubeチャンネル運用代行とは、企業や個人が自分のYouTubeチャンネルアカウントの運営を専門家に委託するサービスです。このサービスは、投稿の作成、アカウントの管理、フォロワーとのコミュニケーション、効果測定など、YouTubeチャンネル運用に関わる全般を代行します。以下に、YouTubeチャンネル運用代行の業界構造について説明します。
多様なサービス提供者
YouTubeチャンネル運用代行業界には、専門の代理店やフリーランスの個人が存在します。代理店は通常、複数の専門家がチームを組んで運用を行い、フリーランスは個人でサービスを提供することが多いです。
サービスの多様性
提供されるサービスは、YouTubeチャンネルアカウントの開設、投稿コンテンツの企画・作成、コメントの返信、広告運用、分析・レポート作成など多岐にわたります。顧客/クライアントのニーズに応じて、これらのサービスを組み合わせて提供されます。
市場の成長と競争
SNSの普及に伴い、YouTubeチャンネル運用代行の需要は増加しています。特に、YouTubeチャンネルを活用したマーケティングが重要視される中で、専門的なノウハウを持つ代行業者の需要が高まっています。
料金体系とコスト
YouTubeチャンネル運用代行の料金は、提供されるサービスの範囲や内容によって異なります。基本的な運用から、広告運用や詳細な分析を含むパッケージまで、さまざまなプランが存在します。
技術とトレンドの変化
YouTubeチャンネルに係るプラットフォームのアルゴリズムやトレンドの変化に迅速に対応することが求められます。これにより、業界内では常に最新の情報や技術を取り入れることが重要です。
【YouTubeチャンネル運用代行のサービス内容】
YouTubeチャンネル運用代行のサービス内容は、デジタルマーケティングの進化とともに多様化し、より高度な戦略的アプローチが求められるようになっています。以下に、YouTubeチャンネル運用代行のサービス内容とその進化について説明します。
サービス内容の概要
YouTubeチャンネル運用代行・コンサルティングサービスには、以下のような業務があります。
(1) コンセプト設計・戦略の策定
(2) YouTubeに投稿する動画・静止画コンテンツの企画・提案
(3) YouTubeに投稿する動画・静止画コンテンツの編集・制作
(4) ハッシュタグの選定・投稿文の作成
(5) 動画・静止画コンテンツのSNSへの投稿代行
(6) コメント・DMへの返信代行、いいね・フォロー作業
(7) YouTuberのキャスティング・マネジメント
(8) 投稿結果・運用結果の分析・レポート作成・月次報告
(9) YouTubeチャンネル運用に関する助言・指導(コンサルティング)
(10)YouTube上の広告の運用代行
戦略的アプローチの強化
初期のYouTubeチャンネル運用代行は、主に投稿の作成やスケジュール管理に焦点を当てていましたが、現在では市場調査や競合分析を基にした戦略設計が重要視されています。これにより、ブランドイメージの確立やターゲットへの効果的なアプローチが可能になります。
データ分析とレポートの重視
YouTubeチャンネル運用の成果を最大化するために、フォロワーの増減やエンゲージメント率、投稿パフォーマンスなどのデータ分析が不可欠となっています。これにより、運用戦略の改善や効果的なコンテンツの提案が行われます。
コンテンツの多様化
動画コンテンツやライブ配信、画像や文章の付加など、さまざまな形式のコンテンツが求められるようになっています。これにより、ユーザーとのエンゲージメントを高めることができます。
コミュニケーションの強化
フォロワーとのコミュニケーションは、単なるコメント返信にとどまらず、ユーザーのフィードバックを運用に反映させることで、より深い関係構築が図られています。
キャンペーンの企画・運用
YouTubeチャンネルを活用したキャンペーンの企画・運用が進化し、特定の目標達成に向けた戦略的なキャンペーンが実施されています。これには、新商品のプロモーションやフォロワー獲得、ブランド認知度向上などが含まれます。
AI技術の活用
AIを活用したデータ分析やコンテンツ作成が進化しており、より効率的でパーソナライズされたSNS運用が可能になっています.
YouTubeチャンネル運用代行のサービスは、単なるアカウント管理から、より戦略的でデータ駆動型のマーケティング活動へと進化しています。これにより、企業はYouTubeチャンネルを通じてより効果的にブランドを構築し、顧客との関係を深めることができるようになっています。
【UGC(User Generated Contents=ユーザー生成コンテンツ)】
企業は、YouTubeチャンネルアカウントを開設・運用することで、商品・サービスを紹介してくれる一般ユーザーとコミュニケーションを図ることが可能となります。
一般ユーザーの声、クチコミを重要視する人はたくさんいます。それらを企業として積極的に共有し応えていくことは、信頼性の向上につながります。
この活動はUGCマーケティングとも呼ばれます。
YouTuber/VTuberの移籍に関する契約書
YouTuber/VTuberの移籍には、単に移籍元事務所から移籍先事務所に所属を変えるだけの場合もありますが、資産や負債の譲渡をともなう移籍だったり、所属する事務所をまるごと売却・買収する パターンの移籍だったりすることもあります。(事業譲渡、M&Aの取引と内容が近い移籍もあります。)
ご参考:事業譲渡契約書、営業譲渡契約書
YouTuber/VTuberの移籍にともない、少なくとも以下の契約書が必要となります。
・移籍元事務所と移籍先事務所の間で締結する移籍契約書
・移籍元事務所とYouTuber/VTuberの間で締結する移籍契約書
・YouTuber/VTuberと移籍先事務所の間で締結するマネジメント契約書
契約当事者間においては、少なくとも以下について取り決める必要があります。
・移籍時期
・移籍金
・IP(Intellectual Properties:知的財産)の取扱い
→YouTuber/VTuberが移籍元事務所に所属していた期間に創作されたIPについては、前提として「移籍後も移籍元事務所に帰属させる」のか、それとも「移籍にともない移籍先事務所に譲渡する」のかを取り決める必要があります。
→YouTuber/VTuberのSNSアカウント(YouTube, Instagram, X(旧Twitter), TikTok, etc.)については、それが移籍元事務所でどのように取扱われていたかを鑑みて、移籍にともなう取扱いの変更を取り決める必要があります。
→いずれにしましても、移籍するYouTuber/VTuberの芸能活動を制限するような取り決めを行うと、独占禁止法などの法令を違反する可能性が出てきますので、注意が必要です。
当事務所は、所属事務所とYouTuber/VTuberの間で発生する様々な契約内容に対応し、取引の設計・コンサルティング、契約書・規約作成、業務提携プロデュースに取り組んでいます。
YouTube/YouTuberに関する契約書ひながたは「YouTube/YouTuberの取引デザイン、契約書作成、契約法務」のページをご参照下さい。